カルバマゼピンの画像と運転中に発作を起こす男性

誰にも打ち明けられずにてんかんを放置して、運転中の発作がきっかけで命を失う事故がここ数年増えています。成分を知り治療薬を服用するきっかけにしていただければ幸いです。てんかんを抑えるカルバマゼピンという成分についてお話していきます。

カルバマゼピンはてんかん治療以外にも効果がある?

カルバマゼピンは1957年に初めて合成され、1963年に抗てんかん薬として発売された歴史あるてんかん治療薬ですが、てんかん治療以外にも効果を発揮することが認められています。ひとつは、三叉神経痛の発作抑制効果です。この効果は1962年に発表され、これを受けて1966年以降は三叉神経痛の鎮痛薬としても使用されるようになりました。三叉神経痛とは、疼痛性チックとも呼ばれる顔面にある知覚神経である三叉神経に起こる神経痛の一種です。主に薬物療法・神経ブロック・手術療法が効果的な治療法として施されており、この薬物療法の代表的な治療薬としてカルバマゼピンが用いられています。さらに、てんかんに伴う興奮状態を抑制する効果に着目した研究によって抗躁作用があることが明らかになり、異常に興奮した状態が続く躁病や、興奮とうつ状態を繰り返すために躁うつ病とも呼ばれる双極性障害の躁状態を抑制する効果が確認されたことで、1990年に躁状態に対する効能も追加承認されました。このため、カルバマゼピンは躁症状のある患者に対しても処方されているほか、同じく精神病の一種である統合失調症の興奮状態を鎮めるための薬としても処方されています。ただし注意点として、複数の抗精神病薬を服用している場合、相乗効果で効き目が強くなりすぎて副作用が出ることがあります。また、正式な承認は受けていませんが、カルバマゼピンはアルツハイマー病などの認知症の周辺症状に対する有効性も報告されています。特に、他の抗精神病薬を投与しても反応しない精神病症状を改善したり、大声で叫んだり暴言を吐いたり暴力を振るうなどの行動をする焦燥性興奮を抑える効果があるとされています。